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FXのカバー先って何?それは分かりやすくいうとこんな感じ

私たちがFX取引をする際に必ず使うのが為替レートです。でもこの為替レート、FX会社によって微妙に違ったりしますよね。実はこれ、カバー先によって違ってくるのですが、カバー先って分かりますか?
ここでは、為替レートに関するカバー先(カウンターパーティ)について、その仕組みや取引者である私たちへの影響について勉強します。重要なことなのできちんと理解しましょう。

目次

1. カバー先とは

カバー先とは、FX会社に対して為替レートを提供している金融機関のことで、カウンターパーティと言ったりもします。インターバンク市場(銀行間取引市場)で取引している金融機関と思えばいいです。私たちがFX会社から提示されている取引レートは、FX会社がカバー先である金融機関から提供されたものに利益を上乗せしたレートになります。

カバー先とは

簡単にいうと、スーパーで取り扱っている品物をイメージすればいいです。つまり、私たちは買い物客で、スーパーはFX会社、カバー先は卸業者ということです。スーパーは卸業者から仕入れた品物に利益を上乗せして私たちに販売していますよね。

例えば、スーパーが大根を1本100円で卸業者から仕入れたとします。その仕入れた大根をスーパーは利益分(20円)を上乗せして、私たちに120円で売っていることと同じです。

仕入れ値と売値

為替も同じで、FX会社はカバー先から為替レートを仕入れて、その仕入れ価格に利益を上乗せして、私たちに取引レートとして提供しているのと同じです。

例えばドル円の買値レート(Ask)で見てみると、FX会社はカバー先から為替レート(110.50円)を仕入れて、その仕入れ価格に利益(1pip)を上乗せして、私たちに取引レート(110.51円)として提供している、ということです。

逆に、売値レート(Bid)で見てみると、FX会社はカバー先から為替レート(110.40円)を仕入れて、その仕入れ価格に利益(1pip)を上乗せして(売値なので厳密には差し引いて)、私たちに取引レート(110.39円)として提供している、ということです。

2. カバー先が複数社あることのメリットとは

FX会社は、通常一社だけではなく複数のカバー先と契約をしてレートの提供を受けています。契約先が複数になることで負担も大きくなる(資金も余計に必要となる)のですが、それでも複数社とのカバー先契約をしたりします。一体なぜでしょうか。

2-1. カバー先が複数あることのメリット①

1.カバー先とは」でFX会社は卸業者で、為替レートをカバー先から仕入れている、ということを説明しました。では、この仕入れ先が多いとどうなるでしょうか。スーパーを例に見てみましょう。例えば、品質が同じ大根の仕入れ値が100円、110円、120円と卸業者によって違っていれば100円で仕入れたほうがいいのと同じです。仕入れ価格というのは業者によってそれぞれ違うため、業者が多いということは仕入れ価格が安いところを選択して仕入れることができる、ということになります。

仕入れ先を選択

例えば、FX会社が3社のカバー先と契約をしていて、ドル円のレートを仕入れたとしましょう。その際、各カバー先からAskレート(買値)が以下のようなレートが提供されました。

  • A社 110.50円
  • B社 110.49円
  • C社 110.51円

この場合、FX会社としては一番安いB社の「110.49円」で仕入れれば、それだけ顧客に安い価格を提供することもできますし、自社の利益分も少し多めに乗せることができたりします。これがひとつめのメリットです。

カバー先の選択
※FX会社によって為替レートが微妙に違うのも、このカバー先が各社違うためです。

2-2. カバー先が複数あることのメリット②

次はメリットのふたつめです。それは、カバー先のどれかと急に取引ができなくなっても他のカバー先があるので安心、ということです。

2001年、私がひまわり証券で働いていたときあの「9.11米国同時多発テロ」が起きました。あのような状況でしたので、米国の金融機関は当然ストップ。米国のカバー先からは為替レートが入って来なくなりました。あのとき、ひまわり証券は複数社のカバー先と契約していたため、米国のカバー先からは為替レートを取得できなくても、他国のカバー先から取得してお客様に取引レートを配信することができたのです。

カバー先停止

このように、様々なリスクを数によって分散することで、ちゃんとリスクを軽減することができるのです。

3. FX会社のカバー先はどこで確認できるのか

これまで、カバー先は複数社あったほうがいいということをお伝えしてきましたが、肝心のカバー先は各FX会社のどこを確認すれば分かるのでしょうか。それは「契約締結前交付書面」を見れば掲載されています。

最近はインターネットでFXの口座開設をすることがほとんだと思いますが、口座開設を始める際に、最初に各書面の確認があります。この中に「契約締結前交付書面」があるのですが、この書面の中には必ずカバー先を記載しなければならないため、そこで確認できます。

4. まとめ

FXで口座開設をする際に、カバー先のことを考えて決める人はほとんどいません。しかし、このカバー先は「何かあった」時のリスク軽減のために重要なことですので、ここは必ず確認しておいてください。

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この記事を書いた人

株式会社トレードタイム代表取締役(2011年設立)

米国在住時にシカゴ、ニューヨークの市場を見学したした際、金融に興味を持ち、大学卒業後、国内と海外市場の取次業社にてコモディティ、為替取次の業務を行う。

その後、FXを日本で初めてFX事業を展開したひまわり証券に入社。
FX事業部の立ち上げ、自己売買ディーリング業務、投資助言業の資格を得て日経225先物、オプション取引の助言業務やセミナー講師等を務めた後、2011年に独立。


現在はFX、株式、日経225先物、FX、個別株オプション等の自己トレード行っている(1日のトレード回数は平均数回~10回程)、また個人投資家向けのセミナーも多数開催中。

セミナーの受講者は述べ39万人を超え、証券、FX会社でのセミナー講師、売買コンテンツ提供も行っている。
トレード本、FX情報誌やYahoo! ファイナンス等への執筆も多数。

コンテンツ(セミナー講師)の提供先会社は、株式会社外為どっとコム、サクソバンク証券株式会社、ワイジェイFX株式会社、株式会社FXトレード・フィナンシャル、ひまわり証券等々、30社以上(順不同,敬称略)。

~トレード情報提供サイト、コンテンツ提供企業(順不同,敬称略)~
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・株式会社日経ラジオ社
・パンローリング株式会社
・FX攻略.com

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