FXには興味はあるけどちょっと怖いから・・という人にその理由を聞くと、大抵「FXはハイリスク・ハイリターンだから・・・」という答えが返ってきます。
でも、なぜFXがハイリスク・ハイリターンと言われているのかを聞くと、きちんと答えられない人がほとんどなんですね。あなたはどうですか?
そこで今回は、なぜFXはハイリスク・ハイリターンと言われるのか?といったところから、実はそうではないんだよ、ということを例を挙げて説明したいと思います。
勝つにはまず相手を知ることです。それでは、はじめて行きましょう。
ハイリスク・ハイリターンとは何か?
まずは、ハイリスク・ハイリターンとは何かを知る必要がありますね。
ハイリスク・ハイリターンとは辞書を調べると
損失の危険性が高い反面、収益性も高いこと。
という意味になります。
人間は心理的に、得られる喜びよりも失う悲しみのほうが感情的には強くなってしまう生き物なので、仮にハイリターンを得られる喜びよりも、ハイリスクで失ってしまう悲しみのほうを避けてしまうんですね。
ということで、多くの人はハイリターンではあっても、ハイリスクは避けてしまっているのです。
では、なぜFXはハイリスク・ハイリターンと言われているのでしょうか。それに、本当にハイリスクなんでしょうか。
なぜFXはハイリスク・ハイリターンと言われるのか?
FXはハイリスク・ハイリターンと言われたりしますが、なぜなのでしょうか。
答えはこれ、「レバレッジ効果」による結果だけからハイリスク・ハイリターンと言っているだけなんです。
これだけですと、何を言っているのかよくわかりませんので、3つの例を挙げて詳しく説明します。
便宜上、すべて投資資金は100万円で計算しますので、よろしくお願いします。
1. 100万円の投資資金で、1株100円の株式を1万株買った場合
例えば、Aという株式が1株100円のときに1万株買ったとします。その場合の投資資金は100万円(=100円×1万株)になります。
その後、このA株が100円から1円値上がりして101円になったとします。この場合の利益は1万円(=(101円-100円)×1万株)ですね。
そうすると、投資資金100万円に対して1万円の利益ですから、1%の利益(+1%)ということになります。
反対に、100円で買った株が99円に値下がりした場合は、1万円の損失になりますので、これは1%の損失(-1%)となります。
ということは、±1円の値動きによる差損益は±1万円で、率にすると投資資金100万円に対して±1%になります。
2. 100万円の投資資金で、1ドル100円の米ドルをFXで1万ドル買った場合
次はFX(為替)の取引でレバレッジを効かせない場合です。
例えば、1ドル100円のときに1万ドル買ったとします。その場合、投資資金の100万円のうち、証拠金として
4万円(=100円×1万ドル×4%(証拠金率))です。
その後、1ドルが100円から1円値上がりして101円になったとします。この場合の利益は1万円(=(101円-100円)×1万ドル)ですね。
そうすると、投資資金100万円に対して1万円の利益ですから、1%の利益(+1%)ということになります。
反対に、100円で買ったドルが99円に値下がりした場合は、1万円の損失になりますので、これは1%の損失(-1%)となります。
ということは、FXのレバレッジ1倍の場合、±1円の値動きによる差損益は±1万円で、率にすると投資資金100万円に対して±1%になります。
3. 100万円の投資資金で、1ドル100円の米ドルをFXで25万ドル買った場合
最後はFX(為替)の取引でレバレッジを効かせた場合です。
例えば、1ドル100円のときに25万ドル買ったとします。その場合、投資資金の100万円のうち、証拠金も全額である100万円(=100円×25万ドル×4%(証拠金率))です。
その後、1ドルが100円から1円値上がりして101円になったとします。この場合の利益は25万円(=(101円-100円)×25万ドル)ですね。
そうすると、投資資金100万円に対して25万円の利益ですから、25%の利益(+25%)ということになります。
反対に、100円で買ったドルが99円に値下がりした場合は、25万円の損失になりますので、これは25%の損失(-25%)となります。
ということは、FXのレバレッジ25倍の場合、±1円の値動きによる差損益は±25万円で、率にすると投資資金100万円に対して±25%になります。
FXがハイリスクだと誤解されている理由がこれ
すでに気付いていると思いますが、FXがハイリスクだと誤解されている理由は同じ値動きに対して最大25倍の差損益が発生する、ということなんです。
上記3例をまとめた下記表を見てください。
こうして見てみると、同じ100万円の投資資金に対してレバレッジが効いていない場合は、どちらも±1円の値動きに対して±1%の差損益でした。しかし、レバレッジを25倍でトレードした場合は同じ±1円の値動きでも25倍にあたる±25%になることから、これがハイリスクと言われてしまう理由になっているんです。
※レバレッジが5倍なら、±1円の値動きでも5倍にあたる±5%の差損益になりますし、レバレッジが10倍なら、±1円の値動きでも10倍にあたる±10%の差損益になります。
でも、よーく考えてみてください。
株式等のレバレッジを効かさない投資は、100万円の投資資金では最大でも1倍にあたる100万円分の投資までしかできません。
これがレバレッジを効かせられるFXは投資資金100万円に対して、1倍の100万円から最大25倍の2,500万円分までの間での投資が自由にできてしまうのです。
同じ投資資金で計算すれば、そりゃ資金効率がいい分数値が大きくなるのは当たり前のことなんですね。このカラクリが分かればFXが単にハイリスクとは言えなくなります。
FXをローリスク・ハイリターンにする方法
ここまで、FXは資金効率がいい分それだけハイリスクと誤解されていることを学びました。
では、誤解を解いたうえで更にFXをローリスク・ハイリターンにする方法はあるのでしょうか。
答えは「あります。」です。
ということで、それをご紹介しましょう。
FXをローリスク・ハイリターンにする方法は決済でOCOを使えばいいんです。
OCO(オー・シー・オー)注文とは、利食いと損切りを同時に設定してしまう注文方法のことです。
例えば、1ドル100円のときに1万ドルの買いポジションを持ったとしましょう。そして決済については、利食いは101.00円になったら、損切りは99.80円になったら、という内容でOCO注文したとします。
すると、その後99.80円か101.00円のどちらか先に値段がついたところで自動的に決済されて、他方も自動的にキャンセルされてしまうのです。
これなら、20銭(=20pips)のリスク対して、1円(=100pips)のリターンを期待できるのでローリスクハイリターンで狙うことが可能なんですね。
そんなの当たり前だろ!と思うかも知れませんが、上記の例でいうと、利益1円(=100pips)に対して損失は20銭(=20pips)ですから、仮に勝率が1勝5敗になってしまっても差損益は0円で終わるのです。
これが1勝4敗なら20%のプラスなんですね。これがリスク管理です。
まとめ
これまでFXはハイリターンではあるが、ハイリスクだから怖いと思っていた原因が、実は「資金効率がいいから」というのが、その答えでした。
同じ投資資金なら資金効率がいいに決まっていますので、どうすれば自身の資産をうまく運用できるかを今一度考えてみるキッカケにしてもらえれば嬉しいです。
それと、決済方法のOCO注文も取り入れてみてください。これだけでもトータルでプラスになる確率が上がったりもしますから、使わない手はないです。是非使ってみてください。