FXトレードを行う場合に、チャート分析は欠かせません。
チャート分析ができないままFXトレードを行うということは、航海図の見方が分からないまま一人で大海原に出ていくのと同じくらい危険なことであるのです。
反対にいえば、チャート分析がしっかりできるようになればトレードの判断で困ることはありません。
そのため、正しいチャート分析ができることはトレードで勝っていくために必要なスキルであります。
ここでは、チャートとは何か?という初歩的なところから、最低限知っておいてほしいチャートに関する知識について初心者の方にもわかるように説明していきます。
是非、ここでチャート分析の第一歩を踏み出して、勝ちトレーダーになっていただければ嬉しい限りです。
チャートとは
チャートとは、下図のように一日や一週間、または1時間や4時間といったある期間の為替レート(=通貨の価格)の値動きをグラフ化したもので、ひと目で過去からの為替変動が分かる表のことです。
このチャートは、いろいろな時間を軸にして多数の種類があり、FX口座を開設することでその会社のチャートを見ることができます。
何のためにチャートを見るのか
チャートとは、過去の為替レートの値動きをグラフ化したものと学びました。では、何のためにチャートを見るのでしょうか。
それは、FX取引を行う上で「今は買いなのか、売りなのか」「どこで買うのか、どこで売るのか」といったことをチャートを分析することで、判断が可能になるからであります。
例えば、航海中に天気図を見ることで予定通りに航海を継続したり、場合によっては航海ルートを変更したりするように、チャートを分析することで「どこで買うのか」「どこで決済するのか」といったトレードの方針を決めることができるようになります。
なお、チャートを使って相場分析をすることを「テクニカル分析」といいます。
テクニカル分析とは
株式や為替等の取引で、過去に発生した価格や時系列パターンから将来の取引価格の変化を予想・分析しようとする手法のことをいいます。
チャートで何がわかるのか
上記では、チャートを分析することで「どこで買うのか」「どこで決済するのか」といったトレードに必要な判断ができるようになることを学びました。
では、具体的にどのようなことを分析することができるのでしょうか。それぞれ確認していきましょう。
トレンド(相場の流れ)が把握できる
トレンドとは、通常「流行」という意味になりますが、相場においてトレンドとは「価格変動の流れ」という意味になります。
例えば、下図のように下から上に価格が上昇している相場を「上昇トレンド」といいます。
また、反対に相場が上から下に下落している相場のことを「下落トレンド」や「下降トレンド」といったりします。
このように、単に現在の価格を知るだけではなく、チャートを見ることで過去からの相場の流れを知ることができます。例えば、上昇トレンドの相場であれば「さらに買っていこう」というトレードの判断ができますし、反対に下落トレンドの相場であれば「まだ売っていこう」という投資判断ができます。
レンジ相場であることを把握できる
レンジ相場というのは「ボックス相場」ともいわれ、一定の価格帯の範囲内で上下変動を繰り返している相場状況をいいます。下記がレンジ相場のチャートです。
このように、レンジ相場は一定の価格帯の中で上下変動を繰り返している状態ですので、レンジの中で推移している間はレンジ下限で買って、レンジ上限まで上昇したら決済することで利益を狙うことが可能となります。
相場の節目を把握できる
相場の節目というのは、多くの投資家がトレードを行う際に意識すると思われる価格水準のことです。チャート上では、サポートライン(支持線)やレジスタンスライン(抵抗線)として現れたりします。
下記チャートを見てください。
青い線を3本引いていますが、チャートを見るとこの青線のように同じような価格水準で何度も反転したりする動きとなる場合があります。トレードとしては、このような場面を利用して仕掛けることが可能となるのです。
具体的なチャートの見方
ここまで、「チャートとは何か」「チャートを見ることで何がわかるのか」ということを学びました。
ここからは、具体的なチャートの見方を学んで行きましょう。
チャートの縦軸と横軸は何を表しているのか
まずは、下記のチャートを見てください。
チャートを見ると、赤で囲んでいる横軸には日付(もしくは時間)を表示しており、青で囲んでいる縦軸は価格を表示しています。
横軸の日付(もしくは時間)は左側が一番過去になり、右側に移るにしたがい現在に近づいてきます。
また、縦軸の価格については一番下の価格が安く、上に移るほど価格が高くなります。したがって、100円から120円まで価格が上昇すると、チャートも下から上に移動することになります。
ローソク足とは?
ローソク足(ろーそくあし)とは、為替レートの値動きを把握しやすくするために、ある期間の為替レートの変動の推移をローソクの形を使って表現したものです。
ローソク足の形から、その期間の始まりの値段である始値(はじめね)、一番高い値段である高値(たかね)、一番安い値段である安値(やすね)、終わりの値段である終値(おわりね)を知ることができます。
- 始値(はじめね)→ その期間の始まりの値段
- 高値(たかね)→ その期間の一番高い値段
- 安値(やすね)→ その期間の一番安い値段
- 終値(おわりね)→ その期間の終わりの値段
なお、この始値、高値、安値、終値の4種類の価格情報を総称して「4本値(よんほんね)」といいます。
ローソク足の種類はいろいろな時間軸に分かれている
上記でローソク足は「ある期間の価格の推移」を表していると説明しましたが、ある期間とはどんな種類があるのでしょうか。
ローソク足の種類は下記のように様々あります。
- 1分足(いっぷんあし)
- 5分足(ごふんあし)
- 30分足(さんじゅっぷんあし)
- 1時間足(いちじかんあし)
- 4時間足(よじかんあし)
- 8時間足(はちじかんあし)
- 日足(ひあし)
- 週足(しゅうあし)
- 月足(つきあし)
1分足というのは、1分間の値動きを1本のローソク足にしたもので、1時間足は1時間の値動きを1本のローソク足にしたものになります。
日足は一日の値動きを1本のローソク足で表現しており、週足は1週間の値動きをたった1本のローソク足にしたものになるのです。
それぞれローソク足の形は同じであっても、足の種類が違うと意味も違ってきますので、どのチャートを見ているのかをきちんと把握しながら見る必要があります。
なお、週足で見たチャートではたった1本のローソク足でも、これを日足で見ると5本(月曜日から金曜日)分のローソク足になります。
また、1本の日足でも、これを1時間足で見ると24本のローソク足で表現することになるのです。
1本のローソク足からでも相場状況を把握することができる
たった1本のローソク足ですが、その形状から相場状況(相場の強弱)を知ることができます。
陽の丸坊主と陰の丸坊主
陽の丸坊主とは、上ヒゲのない大陽線で買い勢力が強い状態のことで、今後も価格が上昇する可能性があると期待できる足をいいます。
また、陰の丸坊主とは陽の丸坊主の反対で、下ヒゲのない大陰線で売り勢力が強い状態のことをいい、今後も価格が下落する可能性があると期待できる足です。
陽の寄り付き坊主と陰の寄り付き坊主
陽の寄り付き坊主とは、下ヒゲのない大陽線で買い勢力が強い状態のことをいい、今後も価格が上昇する可能性があると期待できる足のことです。
また、陰の寄り付き坊主とは陽の寄り付き坊主の反対で、上ヒゲのない大陰線で売り勢力が強い状態をいい、今後も価格が下落する可能性があると期待できる足のことです。
カラカサ(陽線)とカラカサ(陰線)
カラカサ(陽線)とは、上ヒゲがなく、下ヒゲを長く伸ばしている陽線のことで、今後も価格が上昇する可能性があると期待できる足をいいます。
また、カラカサ(陰線)とはカラカサ(陽線)とは反対に、下ヒゲがなく、上ヒゲを長く伸ばしている陰線のことをいい、今後も価格が下落する可能性があると期待できる足をいいます。
トンカチ(陽線)とトンカチ(陰線)
トンカチ(陽線)とは、下ヒゲがなく、上ヒゲを長く伸ばしている陽線のことをいい、今後は価格が下落する可能性があると期待できる足をいいます。
また、トンカチ(陰線)とはトンカチ(陽線)とは反対に、上ヒゲがなく、下ヒゲを長く伸ばしている陰線をいい、今後は価格が上昇する可能性があると期待できる足をいいます。
まとめ
ここでは「チャートとは何か」からローソク足を含めたチャートの見方まで学びました。重要なことは、
- チャートを見ることでトレードの判断ができる
- チャートの種類にはローソク足というものがある
- ローソク足を見ることで相場の推移や相場の強弱がわかる
であります。是非、この機会にチャート分析(テクニカル分析)をしっかり学んで、勝ちトレーダーの一員になってください。