FXは通貨を買ったり売ったりすることで、その差額が利益になったり損失になったりする金融商品です。
でもドル円を買うとか売るとか、というのは何を指しているのでしょうか。
FXは2wayプライスといって、2つの通貨の組み合わせで表示されているので、難しいと思うかもしれません。
ここでは、通貨ペアの「ドル/円」を使って、一体何を買うのか、何を売るのか、なぜそうなのか、を順を追って初心者の方にもきちんと理解できるように説明していきます。
「ドル/円を買う」の意味
ドル/円を買うというのは、結論からいうと「ドルを買う」という意味になります。
円ではありません。買うのはドルです。
もう少しだけ詳しくいうとドルを買うのに円では○○円必要ですよ、ということですから、「円を売ってドルを買う（ドルを買うのに円で支払った）」という意味になります。
なぜそのような意味になるのか、それについては次の通貨ペアの仕組みを理解すれば分かるようになります。
通貨ペアの仕組み
通貨ペアとは、通貨と通貨の組み合わせのことをいいます。
組み合わせた際の通貨の意味ですが、それはドル円の場合、左側のドルを取引通貨、右側の円のことを決済通貨といいます。
※決済通貨とは、取引の結果の差損益で使われる通貨のことです。
組み合わせといっても特別なことではなく、ドル円の場合、単に「1ドルの取引をするには〇〇円必要ですよ」という意味になります。
為替は通貨と通貨の「交換」でありますので、1ドルが100.00円となっていれば、今なら「1ドル⇔100.00円」で交換できますよ、ということになります。
例えば、1ドルが100.00円のときには、1ドルを買うには100.00円が必要となります。また、1ドルを売れば100.00円が手に入りますよ（100.00円を買うことができますよ）、という意味にもなります。
見方を変えれば、1ドルが100.00円のときは、1ドルと100.00円が同じ価値ということになるのです。
「ドル/円を売る」の意味
ドル/円を買うというのは、「ドルを買う」という意味になることから、ドル/円を売るというのは、当然「ドルを売る」という意味になります。
よく「無いものは売れない」という人がいますが、為替は通貨と通貨の「交換」ですから、実際にはあるのです。
また、交換ということは分かるけれども「1万ドルなんて持ってないよ」という人もいますが、それなら1万ドルを買うのに100万円用意していますか、ということで円もないことになってしまいます。
繰り返しになりますが、「ドル/円を売る」とはドルを売って円を買うという意味です。もしくはドルを円に交換した場合、1ドルは100.00円になるよ、という意味になります。
いずれにしても、1ドル＝100.00円ならば、1ドルと100円は同じ価値で交換することができる、という意味になります。
結局のところ、「ドル/円を買う、売る」とは取引通貨にあたるドルに対していっているということを忘れないでください。
1ドルが100円の時に1万ドルの「ドル/円を買う」の意味
ここからは、理解を深めるためにより具体的に見ていきましょう。
1ドルが100円の時に1万ドルの「ドル/円を買う」の意味ですが、まず、1ドルが100円ということは、1万ドルは100万円（＝100.00円×1万ドル）になります。そして、1万ドルを買うには100万円が必要になるので、「100万円を支払って1万ドルを買う」という意味になります。
次は売りの場合です。
1ドルが100円の時に1万ドルの「ドル/円を売る」の意味
1ドルが100円の時に1万ドルの「ドル/円を売る」の意味ですが、まず、買いの場合と同じように1ドルが100円ということは、1万ドルは100万円（＝100.00円×1万ドル）になります。
そして、ドル円の売りとは「ドルを売って円を買う」という意味になることから、この場合は、「1万ドルを支払って100万円を買う（1万ドルを円に交換すると100万円になりますよ）」ということになります。
まとめ
「売り」というと何か難しいイメージがありますが、実は単なる通貨と通貨と交換であることを理解できれば難しいことはありません。
ドル円を買う、とは
↓
ドルを買う
↓
1ドルを買うには○○円必要ですよ
という意味で、
ドル円を売る、とは
↓
ドルを売る
↓
ドルを円に交換すると○○円になりますよ
という意味になります。
これを機会に、買いも売りもすぐにイメージできるようにしてください。
