FX取引をしていると、クロス円とか、ドルストレートといった言葉を聞くことがあります。
このクロス円とドルストレートのことを知っているからといって、それがトレードで勝てることにつながるわけではありません。
ただ、これらはFXの基本的な用語になりますので、まだ知らない場合はここでしっかり学んでこの言葉が出てきたらちゃんと理解できるようになりましょう。
初心者の方にもやさしく、くわしく説明しますので安心してください。それでは始めましょう。
クロス円とは
クロス円とは、外国為替取引やFXで使う通貨ペアの中で、日本円と米ドル以外の外貨との組み合わせたものをいいます。
米ドル以外で日本円と組み合わさる通貨ペアですので、例えば、
- ユーロ円
- ポンド円
- 豪ドル円
- カナダドル円
- ニュージーランドドル円
などがクロス円になります。
注意
米ドル以外ということは「ドル円」はクロス円には入りません。たまにドル円のことをクロス円という人もいますが、それは間違いです。
クロス円の通貨ペアとその特徴について
それでは、ここから代表的なクロス円を挙げて、その特徴をお伝えしたいと思います。
ユーロ円
ユーロ円とは「1ユーロが何円か」という表記をする通貨ペアです。
ユーロ円の特徴としては、
- トレードの節目を形成しやすい
- 合成通貨ペアである
が挙げられます。
トレードの節目を形成しやすいとは
トレードの節目を形成しやすいとは、チャート見たときに過去にサポートされた価格帯で、その後もまたサポートされたり、もしくはレジスタンスとして機能したりすることです。
そのため、ライントレードと行う場合はわりとトレードは仕掛けやすい通貨ペアになります。
ライントレードに関する記事↓↓
■サポートラインとレジスタンスラインの引き方とFXでの使い方
合成通貨ペアであるとは
合成通貨ペアとは、取引によって価格が形成されているわけではなく、計算上の理論値として算出された価格が表示される通貨ペアのことです。
実はユーロ円というのは、インターバンク市場ではマイナーな通貨ペアなので、直接的な取引はほとんどされていません。
銀行間取引市場(インターバンク市場)を理解するうえで重要な2つのこと
ではどうやってユーロ円の価格を出しているかというと、それはドル円とユーロドルの価格から算出されているのです。
例えば、ドル円の価格が110.00円、ユーロドルの価格が1.1400ドルの場合、
110.00円×1.1400ドル=125.40円
というように、ドル円の価格が110.00円、ユーロドルの価格が1.1400ドルである瞬間のユーロ円の価格は125.40円になるのです。単純な掛け算ですね。
図で表すとこんな感じです。
このように、ユーロ円は計算上で形成された価格ではありますが、それでも不思議なことにチャート上では節目を形成しやすい通貨ペアになっています。
ポンド円
ポンド円とは「1ポンドが何円か」という表記をする通貨ペアです。
ポンド円の特徴としては、
- 他の通貨ペアと比較してボラティリティが大きめ
- 合成通貨ペアである
が挙げられます。
では、詳しく見てみましょう。
他の通貨ペアと比較してボラティリティが大きめ
ポンド円はドル円やユーロ円等と比較しても価格の変動幅(ボラティリティ)が大きめです。
例えば、過去10年(2008年8月-2018年7月)の一日あたりの変動幅は約1.81円となります。
ただ、ここ最近は以前よりも変動は小さくなって、過去2年(2016年8月-2018年7月)の一日あたりの変動幅は約1.41円で、過去1年(2017年8月-2018年7月)になると約1.30円にまで小さくなっています。
それでも他通貨ペアに比べるとボラティリティは大きいほうなので、動く通貨ペアが好きな人には向いているといえます。
合成通貨ペアであるとは
ポンド円もユーロ円と同じ合成通貨ペアになります。
例えば、ドル円の価格が110.00円、ポンドドルの価格が1.2800ドルの場合、
110.00円×1.2800ドル=140.80円
というように、ドル円の価格が110.00円、ポンドドルの価格が1.2800ドルである瞬間のポンド円の価格は140.80円になるのです。
豪ドル円
豪ドル円とは「1豪ドルが何円か」という表記をする通貨ペアです。
豪ドル円の特徴としては、
- 高金利通貨とはいえなくなってしまったが、節目は形成しやすい通貨ペア
- 合成通貨ペアである
が挙げられます。
では、詳しく見てみましょう。
高金利通貨とはいえなくなってしまったが、節目は形成しやすい通貨ペアとは
ひと昔、豪ドルといえば高金利通貨の代表格で人気のあった通貨でありました。
例えば、10年前である2008年8月の豪ドルの政策金利は7.25%もありました。
それが徐々に金利が引き下げられ、5年前の2013年8月では2.5%まで下がり、それが2018年8月現在では1.50%まで下がってしまっているのです。
このように、高金利通貨としての魅力は失ってしまった豪ドルですが、豪ドル円という通貨ペアで見た場合は、わりと相場の節目を形成しやすい通貨ペアとなっています。
どういうことかといいますと、豪ドル円は「○○.00円」や「○○.50円」というように50銭刻みで高値安値等をつけやすい通貨ペアなんです。
もちろん、いつも必ずそうなるとは限りませんが、他の通貨ペアと比較してもその確率は高めになっていますので、それをトレードに利用することも可能です。
ドルストレートとは
次はドルストレートについてです。
ドルストレートとは、基軸通貨である米ドルと組み合わさった通貨ペアのことです。
例えば、ユーロドル、ポンドドル、そしてドル円もドルストレートの通貨ペアになります。
このドルストレートは、インターバンク市場でも売買の中心となっている通貨ペアで、為替市場における取引量の実に約87%(2016年4月)を占めているのです。
下図は、2016年4月の一日平均の取引量(出典:BIS(国債決済銀行)資料)です。
ドルストレートの通貨ペアとその特徴について
それでは、このドルストレートの通貨ペアとその特徴についてお伝えしますね。
ドル円
まずはドル円です。いまさら説明はいりませんが、日本人にとって一番馴染みのある通貨ペアですね。
それに、このドル円は上図からもわかるように、為替相場の世界でも全体の取引量の約18%を占めているユーロドルに次ぐ取引量の多い通貨ペアなんです。
このように、取引量も2番目に多く、日本人にとっても馴染みのあるドル円は、初心者からベテランまであらゆる投資家層の方に向いている通貨ペアといえます。
ちなみに、過去10年(2008年8月-2018年7月)の一日あたりの変動幅は約0.91円となります。
また、過去2年(2016年8月-2018年7月)の一日あたりの変動幅は約0.86円で、過去1年(2017年8月-2018年7月)になると約0.72円にまで小さくなっています。
ユーロドル
ユーロドルは「1ユーロが何ドルか」という表記をしている通貨ペアです。
日本人でもわりと取引している方が多い通貨ペアになります。
このユーロドルは上図からもわかるように、為替相場全体の約23%というダントツの取引量を誇るインターバンク市場の中心的な通貨ペアです。
その意味で、トレードをするしないは別にして「ドルとユーロは現在どちらが強いのか」という見方をするだけでも参考になります。
ちなみに、ユーロドルが上昇しているときは「ユーロ>ドル」となり、ユーロドルが下落しているときは「ユーロ<ドル」という関係性になります。
ポンドドル
最後はポンドドルです。このポンドドルは「1ポンドが何ドルか」という表記になります。
このポンドドルの特徴としては、ポンド円同様に他通貨ペアと比較しても変動幅が大きめの通貨ペアになります。
また、トレンドが発生すると割りと長期間にわたって継続する傾向性がありますので、短期トレードのほか、中長期のトレードにも向いている通貨ペアといえますね。
まとめ
今回は、クロス円とドルストレートの通貨ペアについて、その特徴をお伝えしました。
人それぞれトレードには好みもスタイルも違いますので、是非自分に合った通貨ペアとトレードスタイルを身につけて勝っていってもらえればと思います。