私がFXに携わるようになってから、すでに18年になろうとしていますが、FXをトレードしはじめたときは本当に勝てませんでした。
そりゃ何回もトレードすれば勝つこともありますが、コツコツドカンを繰り返してトータルではマイナスばかりでした。
それが今では利食いと損切りを繰り返しながらも、トータルでしっかり勝てるようになり、それを生徒さんに教えることもできています。
そんな私が普段のトレードで、どのような手順を踏んで売買しているのか、たくさんの方々から質問を受けることもあるので、今回はそれをご紹介したいと思います。
トレードで勝つために意識して行っていることですので、参考になればうれしいです。
1. 相場の流れを確認して、買いか売りかを決める
私がトレードをする際にまず確認するのはチャートです。チャートを確認して買いから始めるのか、売りから始めるのかを決めます。
では何を見て買いか、売りかを決めているのか。それは、相場の流れを見ています。
つまり、上昇傾向にある相場では「買い」、反対に下落傾向にある相場では「売り」で始めるんです。
上昇トレンドなら買い
下落トレンドなら売り
初心者の方には安くなったら買うという人がいますが、これでは相場の流れに逆らうことになるので絶対にしません。サーフィンでは波に乗りますが、トレードではトレンドに乗るのです。逆らってはいけません。
なお、トレンドが発生していない場合は、レンジ相場(ボックス相場)でない限りはトレードはしないです。
2. 相場の節目を確認してエントリーをどこにするかを決める
チャートを確認して、買いか、売りかを決めたら、次はどこで買うのか(売るのか)といったエントリーポイントを決めます。
では、何を見て決めるのでしょうか。それは、チャートの節目を見て決めます。
チャートの節目とは、サポートとかレジスタンスと呼ばれている厚みのある価格帯のことで水平線を使って見つけています。
サポートとは?
サポートとは支持線とも言われており、買い圧力が強いと判断できる価格帯のことです。
買い圧力が強ければ、仮に押し目で下落してもその価格帯で支えられて、反転上昇する確率が高いと思われるので、このサポートの手前で買うのです。
反対に、この買い圧力が強いと判断できる価格帯を割り込むようなことがあれば、さらに下落する確率が高いと思われるので、割り込んだところから新たに売るのです。
レジスタンスとは?
レジスタンスとは抵抗線とも言われており、売り圧力が強いと判断できる価格帯のことです。
売り圧力が強ければ、仮に戻りで上昇してもその価格帯で押さえられて、反転下落する確率が高いと思われるので、このレジスタンスの手前で売るのです。
反対に、この売り圧力が強いと判断できる価格帯を上抜くようなことがあれば、さらに上昇する確率が高いと思われるので、上抜いたところから新たに買うのです。
このように、チャートを見て買い場や売り場を探してトレードをすることで、無駄なトレードをなくし、リスクも小さく抑えることができるのです。
■注意点
仮にエントリーするポイントが見つかっても、目標とする利食いポイントまでの値幅が小さ過ぎたり、手前に厚い壁(相場の節目)がある場合にはトレードを控えたりする場合があります。
3. エントリーが決まったら、併せてストップをどこにするか決める
チャートを見て、買い場(売り場)が決まったら、次はストップの場所を決めます。
ストップとは、ポジションを持ったあとに反転してしまった場合に、ここまで反転したら(いくらまでマイナスが発生したら)、一旦トレードを決済して損失を確定してしまうことです。注文方法は逆指値で行います。
例えば、買いから始めたのに相場は下落してしまった場合、いつまでもマイナスを膨らましたまま我慢することはしません。ここまでマイナスが発生したら、という価格を決めて、そこまで到達したら自動的に損切りをしてしまいます。
では、どうなったら損切りしてしまうのか、その場所はどうやって決めるのでしょうか。それは、これもチャートの節目で決めます。
押し目買いのサポートを割り込んだ場合
最初の損切りパターンはこうです。
例えば、サポートの手前で買いポジションを持ったにもかかわらず、そのままサポートラインをしっかりと割り込んでしまった場合です。
この場合、サポートをしっかりと割り込んだことを確認するために、サポートの価格から10pips~20pips位割り込んだところで損切りをしてしまいます。
戻り売りのレジスタンスを上抜いた場合
次は、レジスタンスの手前で売りポジションを持ったにもかかわらず、そのままレジスタンスラインをしっかりと上抜いてしまった場合です。
この場合、レジスタンスをしっかりと上抜いたことを確認するために、レジスタンスラインの価格から10pips~20pips位上抜いたところで損切りをしてしまいます。
レジスタンスを上抜いての買いが下落した場合
次はこのパターンです。
例えば、レジスタンスラインを上抜いたところで新規買いをしたにもかかわらず、上昇が継続しないで下落してしまった場合です。
この場合、新規買いのために使ったレジスタンスラインの下にあるサポートラインを割り込んだら損切りをするようにしています。
サポートラインの見つけ方は、ポジション取りに使ったチャートか、もしくは、そのチャートよりも時間軸が短いチャートを使っています。
例、ポジション取りのチャートが4時間足の場合、ストップを見つけるためのチャートは、同じ4時間足か、1時間足でサポートラインを探す、といったことをします。
サポートを割り込んでの売りが上昇した場合
最後はこのパターンです。
例えば、サポートラインを割り込んだところで新規売りをしたにもかかわらず、下落が継続しないで上昇してしまった場合です。
この場合、新規売りのために使ったサポートラインの上にあるレジスタンスラインを上抜いたら損切りをするようにしています。
レジスタンスラインの見つけ方は、ポジション取りに使ったチャートか、もしくは、そのチャートよりも時間軸が短いチャートを使っています。
例、ポジション取りのチャートが4時間足の場合、ストップを見つけるためのチャートは、同じ4時間足か、1時間足でサポートラインを探します。
■注意点
なお、ストップのポイントを決めるとエントリーからの値幅が決まりますが、利食いポイントまでの値幅とストップまでの値幅が1.5倍以上ない場合は、リスクを軽減するために、エントリー自体をしないようにしています。
4. ストップまでのpipsが決まったら、取引量を決める
ストップのポイントが決まって、損切りの値幅(pips)が決まったら、次は取引量を決めます。
多くの初心者の方は、すでに取引量が決まっていてトレードごとに調整することはあまりしません。
しかし、取引量はトレードのリスクに応じて変えるべきです。どのように変えるかというとその方法はこうして行います。
重要なことは1回のトレードにおける損切り額を決めておくこと
驚異的な結果を残した多くのトレーダーは、相場で勝つ方法のひとつとして、1回のトレードにおける損切り額を資金の1%程度に抑えることを薦めています。
なぜなら、不確実性の世界である相場において、投資家が自身でコントロールできる唯一の防御策であるからです。
具体的には、例えば投資資金が100万円の場合、1%の損切り額は1万円になります。ということは、この場合のトレードの最大の損切り額は1万円以内に抑えなければなりません。
そして、損切りまでの値幅のpipsが仮に30pipsであったとします。この場合、10万通貨の取引を行えば、ドル円等決済通貨が円の場合の損切り額は3万円(=10万通貨×0.3円)になってしまうので、10万通貨の取引はできません。
では、半分の5万通貨の場合はどうか。この場合、損切り額は1.5万円(=5万通貨×0.3円)になってしまうのでこれもダメです。
最後に、3万通貨なら損切り額は9,000円(=3万通貨×0.3円)になるので、これなら1%である1万円以内になるので取引可能ということになります。
5. 注文を設定して完了
買いか売り、エントリーポイント、損切りのストップポイント、取引量が決まったら、最後は発注だけです。
事前にこれだけ決まっていれば、リスクを抑えたうえで、無駄なトレードを行うこともなく、設定後もずっとチャートを見ている必要はありません。
エントリーが約定したり、その後にストップが約定したりすれば、自動的にメールで知らせてくれるので、トレード以外のことに専念できて、時間も有効的に使うことができます。
また、リスクも抑えているので、仮に連続した損切りとなったとしても、次のトレードに大きく影響を与えることはありません。
まとめ
以上、私が普段から行っているトレードの手順をご紹介しました。
ポイントは、
- 事前に全部決めてしまうということ
- 利食い以上に損失を大きくしない工夫をしていること
です。
絶対があり得ない相場において、コントロールできることは自身でコントロールし、その他は確率的に高い方法を使ってトレードしています。
そのことにより、利益を増やすというよりは自然に増えていく、といった状況にしていくことも可能になります。
是非あなたも、私の方法をヒントに勝ちトレーダーへの道を歩んでください。