FXが投資初心者の方にも人気な理由のひとつに「スワップポイントがあるから」が挙げられます。
でも、そのスワップポイントとは何なのか、どのような仕組みで発生しているのか、あなたは答えられますか?単純に買いなら受取り、売りなら支払いなどと覚えたりしていませんか?もしそうならカモになってしまう危険度はかなり高いです。
ここでは、そのようなあなたのためにスワップポイントの仕組みから、初心者が疑問に思うイロイロについて簡単に分かりやすく説明してみました。
是非ここで勉強して、スワップポイントをマスターしてください。
スワップポイントとは
スワップポイント(スワップ金利)とは、FX取引を行った際に発生する2国間の金利差のことをいいます。
為替では通貨ペアといって2国間の通貨を取引(交換)しますが、この2国間にはそれぞれ金利があります。この2国間の金利差から、FXでポジションを買い持ちしたり、売り持ちしたりすることで金利差分を受取ったり、支払ったりするのがスワップポイントになります。
なぜ、為替を取引するとスワップポイントが発生するのでしょうか。
その仕組みについての詳細は下記3. スワップポイントの発生の仕組みをご覧ください。
各国の政策金利状況(2017年7月現在)
現在、各国の政策金利はどうなっているのでしょうか。各国の金利状況はスワップポイントに直接影響を与えるため、是非知っておきましょう。
こうして見てみると、トルコ(8.00%)、メキシコ(7.00%)、南アフリカランド(6.75%)と日本の金利0.10%と比較すると信じられないくらいの高金利となっています。
もし日本がトルコのように8.00%の金利であれば、1,000万円を1年間預けると金利収入だけで80万円(税引前)ですから、うらやましい限りです。
スワップポイントの発生の仕組み
それでは、ドル円を使ってスワップポイントを確認してみましょう。
まず、米ドルが100.00円のときに1万ドルを日本円で買う場合、FXでは100万円(=100.00円×1万ドル)を支払って、1万ドルを買うことになります。
この場合、100万円分の日本円は借りている状態となりますので、借りている100万円分の金利は支払わなくてはなりません。
反対に、1万ドルは買っている(持っている)状態ですので、その1万ドル分の金利は受け取れることになります。
すると、2017年7月現在の金利状況は米ドルの政策金利が1.25%、日本の政策金利が0.10%でありますので、円金利0.10%を支払って、米ドル金利1.25%を受取る、すなわち金利差である「1.25%-0.10%=1.15%」分の金利を受け取ることができるのです。
スワップポイントが発生するタイミングはいつ?
FXでポジションを持ったとしても、スワップポイントがいつ発生するのか分からなければ、受けることができなくなる場合があります。しっかりと発生するタイミングを理解しましょう。
スワップポイントが発生するのは、ポジションを繰越したタイミングとなります。ポジションの繰越しとは日付をまたぐことをいいます。
例えば、為替の一日の区切り(終了時刻)はニューヨークの午後5時になります。このニューヨークの午後5時というのは日本時刻でいうと午前7時(夏時間の場合は午前6時)になります。
ということは、FXでポジションを持った状態のまま一日の区切りである日本時刻の午前7時(夏時間の場合は午前6時)を過ぎた段階でスワップポイントは発生します。
日本時刻の午前0時を過ぎると発生する訳ではありません。あくまでも、為替の一日の区切りであるニューヨークの午後5時を過ぎた場合に発生するので、注意してください。
極端な例ですが、日本時刻の午前06時59分にポジションを持って、午前07時01分に決済したとしてもスワップポイントは発生する仕組みとなっています。
発生するポイントは「為替の日付をまたいだ」になり、何時にポジションを持ったかは関係ありませんし、日本時刻の日付でもありませんので注意くださいね。
スワップポイントが現金化するタイミングはいつ?
スワップポイントがいつ発生するのかは分かりましたが、その発生したスワップポイントはいつ現金化されるのでしょうか。
スワップポイントは、これまでは原則として保有しているポジションを決済しなければ現金化はされませんでした。しかし、最近はポジションを保有しながら(未決済のまま)でも積み上がったスワップポイントだけを出金したりすることができるFX会社も増えてきています。
そういうFX会社なら、ポジションをずっと保有したままスワップポイントだけを定期的に出金することも可能であります。
スワップポイントは土日は発生するのか
為替の取引は土日を除く月曜日から金曜日まで取引が可能です。では、スワップポイントは取引が行われない土日はどうなるのでしょうか。
スワップポイントは、ポジションを保有していれば土日も祝日も発生します。これは、私たちが銀行にお金を預けていたり、反対にお金を借りている場合にも土日祝日分も金利が発生するのと同じ仕組みであります。
したがって、ポジションを30日間保有すれば土日祝日関係なく日数分のスワップポイントが発生します。
スワップポイントはなぜ毎日微妙に違う金額なのか
スワップポイントの説明を見ると、多くの場合で政策金利が紹介されていますね。その場合、政策金利で計算するなら、「なぜ、スワップポイントは毎日微妙に違う金額なのか」という疑問が湧いてきます。政策金利は毎日変化するものではないに当然ですね。
では、なぜスワップポイントは毎日微妙に違う金額なのでしょうか。それは、「無担保コール翌日物」という短期金利市場で取り扱っている金利を使って計算されているからなんです。
無担保コール翌日物とは、金融機関同士が担保をつけずに(無担保)、今日借りて明日返すという1日で満期となる金利のことです。この無担保コール翌日物は日々変化していきますので、スワップポイントも毎日微妙に変わったりするのです。
当然、この無担保コール翌日物は政策金利をベースにしていますので、日々変化はしますが大きなかい離はないため、説明では分かりやすく政策金利で行っています。
もう一つ理由があります。それは、仮にアメリカの金利が1.25%とした場合、1万ドルに対する金利は125ドル(=1万ドル×1.25%)となります。そして、この125ドルの価値は日々の価格変動で変化するため、スワップポイントも微妙に変化するのであります。
一度受取ったスワップポイントは減ることはないの?
スワップポイントは日々発生していきますが、一度貯まったスワップポイントは減ったりしないのでしょうか。
答えは「減ったりしません」です。
例外的にあるとすれば、これまで受取りで発生していたものが、2つの通貨の金利が逆転して支払いになってしまったときくらいです。なので、減る心配はいりません。
貯まっているスワップポイントを証拠金に使うことはできる?
FXをはじめとするデリバティブ商品(金融派生商品)は、スワップポイントを証拠金として使うことができます。決済しなくても、ポジションを保有したままで積み上がったスワップポイントを証拠金として使うことができます。
スワップポイントはなぜ受取りよりも支払いのほうが割高なの?
例えば、ある通貨ペアのポジションを保有していたとします。この場合、一日あたりのスワップポイントの受取りが100円とすると、支払いは105円位になっています。
なぜ、このような違いが発生するのでしょうか。
それは、私たちの生活上でも、お金を貸す場合(預ける場合)と借りる場合の金利が違うのと同じ仕組みです。
例えば、銀行にお金を預けても金利は0.1%しかつきませんが、ローンを組む場合は2.0%や5.0%というように、全然金利が違いますよね。
スワップポイントも同じで、この金利の違いから受取りと支払いの金額が違ってくるのです。
スワップポイントは「買いが受取り」「売りが支払い」は間違い
よく初心者の方がスワップポイントは「買いが受取り」「売りが支払い」と理解している場合が多いです。しかし、それは間違いです。
確かに、低金利の日本よりも高金利の海外の通貨を買えば、スワップポイントは受取りになることがほとんです。しかし、ユーロの0.00%やスイスの-1.25%のような場合は、買いから始めることでスワップポイントは支払いになりますので、注意が必要です。
まとめ
スワップポイントについて、その仕組みや細かい点まで知っている人は少ないです。
今回、ご紹介したスワップポイントのことをしっかり理解すれば、中級者レベルとしてはまったく問題ありません。しかし、FX会社によって若干違いはありますので、自身が取引するFX会社のことはきちんと理解しておいてください。