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FX取引に必要な証拠金や差損益、ロスカット等の計算方法を簡単丁寧に解説します

FXは通貨を通貨で売買することで、その差額から利益を狙うことができる金融商品ですが、投資である以上最低限必要な計算があります。

種類にするとザっと6種類です。証拠金、レバレッジ、スプレッド、利益や損失、pips、ロスカットになるまでの価格計算・・・。あなたはちゃんと計算できますか。

ここでは、FX初心者の方にもきちんと理解できるように、やさしく記述してFX取引に必要な計算方法を習得していただきます。計算方法を間違えると、大きな損失につながってしまいますので、ここでしっかりとマスターしてしまいましょう。

目次

1. 証拠金の計算方法

FXは証拠金取引です。そのため、取引を行う際には「取引に必要な証拠金(必要証拠金)」の計算ができなければなりませんが、計算自体は簡単です。

1-1. 必要証拠金を計算する公式は

必要証拠金の計算するための公式は、

【公式】取引価格×取引量×証拠金率(4%)=証拠金

これだけです。
どの通貨ペアを取引する場合でも、この公式ですべて計算できてしまいます。取引価格と取引量と4%をすべてかけてあげるだけです。

1-2. 必要証拠金の計算例

例えば、1ドルが100.00円のときに、1万ドルの買いポジションを持つ場合に必要な証拠金は、

100.00円(取引価格)×1万ドル(取引量)×4%(証拠金率)
40,000円(証拠金)

となり、FXでは4万円あれば100万円分(=100.00円×1万ドル)の取引ができてしまいます。

もうひとつ例を見てみましょう。

例えば、1豪ドルが80.00円のときに、2万豪ドルの買いポジションを持つ場合に必要な証拠金は、

80.00円(取引価格)×2万豪ドル(取引量)×4%(証拠金率)
64,000円(証拠金)

となり、FXでは6.4万円あれば160万円分(=80.00円×2万豪ドル)の取引ができてしまいます。

最後にもうひとつ、例を見てみましょう。

例えば、1ユーロが130.50円のときに、3万ユーロの売りポジションを持つ場合に必要な証拠金は、

130.50円(取引価格)×3万ユーロ(取引量)×4%(証拠金率)
156,600円(証拠金)

となり、FXでは15万6,600円あれば391万5,000円分(=130.50円×3万ユーロ)の取引ができてしまいます。なお、買いから始める場合でも、売りから始める場合でも、証拠金の計算方法に違いはありません。どちらでも同じです。

2. レバレッジの計算方法

FXでは取引をする際に、レバレッジを考慮することがあります。ただ、そもそもレバレッジとは何でしょうか。

2-1. レバレッジとは

レバレッジとは、よく「てこの原理」と言われていますが、簡単にいうと投資資金の何倍の取引をしているのか、という意味です。仮に10万円の投資資金で100万円分の取引をしている場合にはレバレッジは10倍ということになります。
逆にいえば(こちらの方が大事ですが)、100万円分の取引をするには、10分の1の10万円の資金で行うことができるという意味になります。

このレバレッジの数値が高くなればなるほど、投資資金に対するリターン(=利益)やリスク(=損失)の比率が高くなることになります。反対に、このレバレッジの数値が低いほど、投資資金に対するリターン(=利益)やリスク(=損失)の比率も低くなることになります。なお、レバレッジの最大数値は25倍(※)になります。

※証拠金率は、金融商品取引業等に関する内閣府令により、
個人の場合は取引の額(想定元本)の4%以上となっているため

また、レバレッジが1倍というのは、取引の額(想定元本)と投資資金(FX取引口座に入金されている資金)が同額ということになります。この場合、ロスカットになる心配はほぼゼロに等しくなります。

2-2. レバレッジを計算する公式は

それでは、レバレッジの計算方法を見てみましょう。公式は以下のとおりです。

【公式】(取引価格×取引量)÷FX口座の入金額=レバレッジ

こちらは、掛け算と割り算が混ざりますのでちょっとだけ難しいかもしれませんが、慣れれば簡単です。

2-3. レバレッジとレバレッジ率の関係は?

レバレッジと似た言葉にレバレッジ率があります。このレバレッジ率、レバレッジと何が違うのでしょうか。

レバレッジとレバレッジ率の違いは表現の違いだけで、意味は同じになります。
例えば、レバレッジといった場合、その答えは「〇〇倍」となりますが、これがレバレッジ率になるとその答えは「〇〇%」となります。

具体的には、レバレッジが10倍の場合、レバレッジ率は10%(=1÷10倍=0.1=10%)となり、レバレッジが25倍の場合、レバレッジ率は4%(=1÷25倍=0.04=4%)となります。

2-4. レバレッジを計算するための取引例

こちらも例を見てみましょう。

例えば、FX口座に入金している投資資金が10万円で、1ドルが100.00円のときに、1万ドルの買いポジションを持つ場合のレバレッジは、

(100.00円×1万ドル)÷10万円=10(倍)

ということで、この場合のレバレッジは10倍となります。

もうひとつ例を見てみましょう。

例えば、FX口座に入金している投資資金が20万円で、1豪ドルが80.00円のときに、3万豪ドルの買いポジションを持つ場合のレバレッジは、

(80.00円×3万豪ドル)÷20万円=12(倍)

この場合、レバレッジは12倍ですので、レバレッジ率は8.33%(=1÷12倍=0.0833)となります。

最後にもうひとつ、例を見てみましょう。

例えば、FX口座に入金している投資資金が200万円で、1ユーロが130.00円のときに、1万ユーロの買いポジションを持つ場合のレバレッジは、

(130.00円×1万ユーロ)÷200万円=0.65(倍)

レバレッジが1倍以内の0.65倍ということは、想定元本以上の資金があるということですので、ロスカットにはならない余裕のある取引ということになります。

3. スプレッド(取引コスト)の計算方法

FX取引に必要なコスト(費用)というのは、取引手数料と買値と売値の差額であるスプレッドになります。ネットでのFX取引の場合、手数料は無料が主流ですので、基本的にコストはスプレッドのみとなります。
ここではそのスプレッドの計算方法と、スプレッドから取引コストを算出する方法をお伝えします。

3-1. スプレッドを計算するための公式

まずは、スプレッドの計算するための公式です。

【公式】買値(Ask)-売値(Bid)=スプレッド

単純な引き算です。価格が高い買値から価格が安い売値を差し引いてあげればいいだけです。

3-2. スプレッドを算出するための計算例

例えば、ドル円のある時点の取引価格が下記のようだとします。

この場合、買うことができるAskレートが114.260円で、売ることができるBidレートが114.257円なので、

114.260円-114.257円=0.003(スプレッド)

ということで、スプレッドは0.003円(=0.3pips)になります。

3-3. スプレッドから取引コストを算出するための公式

次に、スプレッドから取引コストを算出するための計算です。
公式は下記のとおりです。

【公式】スプレッド×取引量=取引コスト(往復分)

これも単純な掛け算ですので簡単ですね。

3-4. スプレッドから取引コストを算出する取引例

例えば、ある時点のドル円のスプレッドが上記のような0.003円(=0.3銭)のときに、1万ドルの取引をする場合は、

0.003円×1万ドル=30円

となりますので、エントリー時(ポジションを持つ際)と決済時の往復分の取引コストは合計で30円となります。

通常、外貨預金の場合は都市銀行ですと取引コストが往復で2円(=2万円分)かかりますので、大分安いことがわかりますね。

4. 利益や損失の計算方法

取引を行う上で、利益や損失である差損益の計算ができないことは致命傷になりますので、ここでしっかりと計算できるようにしましょう。

4-1. FXで発生する利益や損失の算出するための公式

利益や損失の計算に必要なのは、買値、売値、取引量の3つだけです。
それでは公式を見てみましょう。

【公式】(売値-買値)×取引量=差損益

これは、買いから始めた取引も、売りから始めた取引も共通した公式です。どちらも(売値-買値)の順番が変わることはありませんので注意してください。

4-2. FXで発生する差損益の計算例(対円の場合)

では例を見てみましょう。

例えば、ドル円で1万ドルを100.00円で買い、その後102.00円で決済(売り)した場合の差損益は、

(102.00円(売値)-100.00円(買値))×1万ドル(取引量)
20,000円

答えがプラスなので、2万円の利益となります。

もうひとつ見てみましょう。

例えば、ドル円で1万ドルを100.00円で買い、その後98.50円で決済(売り)した場合の差損益は、

(98.50円(売値)-100.00円(買値))×1万ドル(取引量)
-15,000円

答えがマイナスなので、1万5,000円の損失となります。

再度、もうひとつ見てみましょう。

例えば、ドル円で3万ドルを100.00円で買い、その後101.20円で決済(売り)した場合の差損益は、

(101.20円(売値)-100.00円(買値))×3万ドル(取引量)
36,000円

答えがプラスなので、3万6,000円の利益となります。

最後にもうひとつ見てみましょう。

例えば、ドル円で5万ドルを105.00円で買い、その後104.50円で決済(売り)した場合の差損益は、

(104.50円(売値)-105.00円(買値))×5万ドル(取引量)
-25,000円

答えがマイナスなので、2万5,000円の損失となります。

4-3. FXで発生する差損益の計算例(対外貨の場合)

なお、これまでの計算方法はすべて通貨ペアが「●●/円」という対円の場合の計算法となります。例えば、ユーロ/ドルやポンド/ドル、ユーロ/ポンドといった「●●/〇〇」の右側の〇〇が害の場合は、上記の公式の最後に、その外貨の為替レートを乗じて(掛け算して)ください。公式はこうです。

【公式】(売値-買値)×取引量×為替レート=差損益

例えば、例えば、ユーロドルで1万ユーロを1.13000ドルで買い、その後1.1380ドルで決済(売り)した場合、決済時のドル円の価格が112.00円だとすると、その差損益は、

(1.1380ドル-1.1300ドル)×1万ドル×112.00円(ドル円)
8,960円

答えがプラスなので、8,960円の利益となります。

5. pipsの意味と計算方法

FX取引をしていると「pips(ピプス)」という言葉をよく聞きます。でもこのpips、よく分かっていない方が多いのでここできちんと理解してしまいましょう。

少し昔の書籍やサイトでは、pipsのことを「為替レートの最小単位」として説明しているものが多いです。しかし、これは間違いでありますので、正しい知識をここで覚えてしまいましょう。

まず「pips」の意味ですが、これはその通貨の最小単位の100分の1ということであります。
例えば、日本円の最小単位は1円ですので、その1円の100分の1にあたる0.01円(=1銭)が1pipsになります。また、ドルの場合は1セントが最小単位ですので、その1セントの100分の1にあたる0.01セント(=0.0001ドル)が1pipsになるのです。

それでは一覧表を見てみましょう。

ドル/円 0.01円=1銭 1pips
ユーロ/円
豪ドル/円
NZドル/円
ポンド/円
ユーロ/ドル 0.0001ドル
ポンド/ドル
豪ドル/ドル
ユーロ/ポンド 0.0001ポンド

簡単に覚えるには、ドル円やユーロ円等の●●/円といった通貨ペアは、「1銭(0.01円)=1pips」で、ユーロドルやポンドドル、ユーロポンド等の●●/〇〇といった〇〇が外貨の場合は「0.0001(ドル等)=1pips」で覚えてしまえばいいです。

※pipsについての詳細はスプレッドでいうpipsとは?をご覧ください。

6. ロスカットになるまでの計算方法

ロスカットとは、FX取引によって損失額がFX取引口座内の資金に対して一定の割合を超えた場合、自動的にすべての取引を決済(反対売買)してしまうルールのことをいいます。

このロスカット、FX取引を行っていれば避けたいことのひとつであります。

ではこのロスカットですが、どのレベルまで価格が変動すれば執行されてしまうのか、計算方法を覚えてしまいましょう。

なお、ロスカットのルールはFX会社によって基準が違ったりしますが、ここでは一般的な100%ルールでご紹介します。

6-1. ロスカットになるまでの値幅を計算するために必要な項目

まず、使う項目は「純資産」「必要証拠金」「余剰金」であります。

「純資産」とは、FX口座にある現金残から、含み差損益とスワップポイントを加算した金額になります。

例えば、FX口座に10万円あって、保有ポジションの含み損が1万円、スワップポイントの受取額が3,000円あれば、

純資産=10万円+(-1万円)+3,000円=93,000円

これで93,000円が純資産ということになります。

次に「必要証拠金」ですが、これはポジションを保有するために必要な証拠金ですね。
計算方法は、1. 証拠金の計算方法をご覧ください。

最後に「余剰金」ですが、これは「純資産」から「必要証拠金」を差し引いた金額になります。
仮に、純資産が10上記のように93,000円あって、証拠金が40,000円の場合、余剰金は53,000円になります。

6-2. ロスカットになるまでの値幅を計算する公式

それでは本題のロスカットの計算方法ですが、ロスカットは100%ルールの場合、余剰金がなくなった時点で執行されてしまいます。ということで公式はこうなります。

【公式】余剰金÷取引量=ロスカットまでの値幅

6-3. ロスカットになるまでの値幅の算出例

例えば、投資資金が10万円で、ドル円が100.00円の時に1万ドルの買いポジションを持った場合のロスカットまでの値幅は、

余剰金=10万円(投資資金)-4万円(証拠金)=6万円

ロスカットまでの値幅=6万円(余剰金)÷1万ドル(取引量)=6円

ということは、買値である100.00円から6.00円下落した94.00円になってしまうとロスカット(※)になってしまいます。

※厳密にはスワップポイントが加算されるため94.00円よりも
低い価格となる可能性が高いですが、ポジションの保有期間に
左右されるためここでは考慮していません。

もうひとつ見てみましょう。

例えば、投資資金が50万円で、ドル円が112.00円の時に3万ドルの買いポジションを持った場合のロスカットまでの値幅は、

余剰金=50万円(投資資金)-13万4,400円(証拠金)=36万5,600円

ロスカットまでの値幅=36万5,600円(余剰金)÷3万ドル(取引量)=12.18円

ということは、買値である112.00円から12.18円下落した99.82円になってしまうとロスカット(※)になってしまいます。

※実際の答えは12.1866円でありますので、四捨五入すれば
12.19円となります。しかし、ロスカットは余裕をもって
見るためにも四捨五入ではなく切り捨てで計算した方がいいです。

なお、ロスカットの詳細についてはロスカットとは何かをご覧ください。

7. まとめ

以上が、FX取引に計算が必要となる項目です。
これだけ覚えてしまえばFX取引の計算で困ることはありません。ひとつひとつも難しくはありませんし、自身で計算できるようになることで、FXの仕組みも分かるようになります。是非ここでしっかりと理解して、計算できるようにしてしまいましょう。

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この記事を書いた人

株式会社トレードタイム代表取締役(2011年設立)

米国在住時にシカゴ、ニューヨークの市場を見学したした際、金融に興味を持ち、大学卒業後、国内と海外市場の取次業社にてコモディティ、為替取次の業務を行う。

その後、FXを日本で初めてFX事業を展開したひまわり証券に入社。
FX事業部の立ち上げ、自己売買ディーリング業務、投資助言業の資格を得て日経225先物、オプション取引の助言業務やセミナー講師等を務めた後、2011年に独立。


現在はFX、株式、日経225先物、FX、個別株オプション等の自己トレード行っている(1日のトレード回数は平均数回~10回程)、また個人投資家向けのセミナーも多数開催中。

セミナーの受講者は述べ39万人を超え、証券、FX会社でのセミナー講師、売買コンテンツ提供も行っている。
トレード本、FX情報誌やYahoo! ファイナンス等への執筆も多数。

コンテンツ(セミナー講師)の提供先会社は、株式会社外為どっとコム、サクソバンク証券株式会社、ワイジェイFX株式会社、株式会社FXトレード・フィナンシャル、ひまわり証券等々、30社以上(順不同,敬称略)。

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